姫は一種じゃない

自分自身が女としても、もちろん男としても認識できない理由がピンときた。 自分の中の女像が「姫」だからである。 物心ついたときに、既に自分の中に姫がいた。 それに対して自分は「男の子？」と聞かれる風貌と太い声。 埋められないギャップをもがいて埋めていくのは格好悪いと感じていた。 そして私は姫から離れていった。 しかし数多の価値観に触れてきた今では、私の中には多様な何人もの姫がいる。 かつての姫もいるが、自分に近い姫もいる。 自分も、自分の描く女像に入れるのかもしれない。 肉体と精神の性が近づいてきている。 価値観が一つしかないということは恐ろしい。 まだ間に合う。 今からでも、自分に合ったいい女像に近づいていこう。